8/24 「西陣・ひなや」に見る世界に通じる日本の手技の可能性

  • 2010.08.24 Tuesday
  • 18:39
 今日の朝、肌に感じる風は涼しくなってきました。

暑い中にも、秋の気配が感じられるようになってきました。


今日は、学生の採用の件で、
日本の手技を継承・発展させ、若い人材を毎年採用していらっしゃる「ひなや」の伊豆蔵社長と総務を総括されている井上相談役にお会いしてきました。

016.JPG
本社です。

建物の外観は、オリジナリティーあふれる独特のフォルムです。

ひなやさんは、西陣の織のメーカーです。
でもただの織のメーカーさんではありません。
和装から洋装まで手掛けれれていて、
作品、事業展開はオリジナリティーあふれています。
加えて、フランスのパリコレのオートクチュールへの素材提供やアメリカへの進出などグローバルに事業を展開されています。


伊豆蔵社長は、お若く37歳で、大学生時代からフランスで織の勉強をするため留学した経歴をお持ちです。
ひなやさんがオリジナリティーあふれる作品を作り続けるための技術的バックボーンを体現されている方です。



伊豆蔵社長の案内で、会社を見学させていただきました。
017.JPG
本社から道を挟んだ染め工房です。



ひなやさんは、日本の手技を大切にされ、自然からとれる草木から染める草木染で作品をつくられています。そして、生地から織、染め、そして縫製まですべて京都の自社で製品をつくられています。
ユニクロの対極の取り組みをされています。



事前に、ひなやさんのフィロソフィーをHPで見ていたのですが、見学をさせていただき、それが本当に実現されていて驚きました。

〜ひなやさんのフィロソフィー〜

「はじめに自然のルールがあり、次に人間のルールがある。
 自然染色は、動物や植物から”いのち”をいただいてできているものです。その”いのち”を人間の勝手で選んで使うのではなく、最後まで有効に活かさなければなりません。動物も植物も、人間だって、その”いのち”に優劣はありません。見た目の美しさや上質だけを選別する「目利き」の美ではなく、”いのち”を思いやることから生まれる美、「思いやりの美意識」こそが、本物の美です。」




005.JPG
丁子です。茶色〜ベージュまで染まります。
004.JPG
茜です。昔からある日本の赤を代表する色です。



染め工房は、独特の香りが漂っています。
そのかけがえのない手仕事から、無理ない自然の色が生まれてきます。
美しいです。
また、若い女性の社員の方とベテランの社員の方がいて、工房に活気があります。



上階に行き、織のフロアーです。
写真は掲載できないのですが、本当に手織でされていました。
しかも若い入社3年めの若い女性が。
加えて、ひなやさんの作品を初めて見たのですが、織の組織表現が独特で見たことのない作品でした。




 大量生産が主流で、効率化が重視される現在、
最小限の機械(手機)×人間の無限の可能性で、1品1品違うオリジナル作品が生まれてきます。
 手機を改良している考えは、人間と糸への配慮から改善されているので、効率を重視されていません。正直驚きました。


009.JPG
ショールームです。ほかにはできない作品が展示されています。

011.JPG013.JPG
ひなやさんの帯です。

1250年前の正倉院の御物に残る唐組という組紐の技法を、
先代が試行錯誤の末、織で帯の作品にしたオリジナル作品です。
・草木染めの自然の色
・絹の光沢
・独特の織組織による陰影
・シンプルなデザイン
そこを通して、
過去の技術に挑戦されたひなやさんの志を感じる作品でした。

一通り見学をさせていただき、伊豆蔵社長、井上相談役と学生の採用を含めて色々な関わりの可能性を話をさせていただきました。
これからですが、非常に未来の可能性を感じられる機会となりました。



今、世界全体が、経済の効率化の流れの中、
大量生産
大量販売
大量廃棄
を脱皮するための壁に当たっていますが、
ひなやさんの取り組みは、これからの企業のあり方の1つを示しています。


伊豆蔵社長は、
「西陣の機屋だったので、きものの精神が自然とあり、フィロソフィーの考えに繋がっています」とおっしゃっていました。

「日本の心」は時代の先端の考えだと改めて感じられました。

古くて新しいもの・・・。

「温故知新」の精神で、日本の足元を見直す時代がきました。


ひなやさんのホームページはこちらです。

学校のホームページはこちらです。興味のある方はどうぞ。

コメント
お久しぶりです。
未だ日本におります。
この美しい帯は、何かを動かす力を感じます。
(私が動かされた訳ですが・・・笑)
すぐに京都に飛んで行きたくなりました。
  • 之子
  • 2010/08/26 11:38 AM
山下さんご無沙汰しております。コメントありがとうございます。山下さんがおっしゃっているように物を作ることは、その企業であったりその人であったり、そのものが現われてくるということを、この帯を見て実感じました。久しぶりに衝撃を受けました。オリジナルとはここまでしないといけないと。
  • 大原園長
  • 2010/08/26 11:56 AM
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